小澤征爾指揮トロント響 メシアン「トゥーランガリーア交響曲」 武満徹「ノヴェンバー・ステップス」p1967
小澤の絶頂期67年。NYフィル創立125周年で委嘱された武満「11月」を11/9に初演、その後常任指揮者だったトロント響と録音した。カップリングはメシアン「トゥーラン」。曲名はサンスクリット語で愛を意味する。それでジャケが現代アートの大物ロバート・インディアナの「インペリアル・ラヴ」。西新宿にあるあれ。
「11月」も「トゥーラン」も何度か再録してるけど、やはり初演時の瑞々しさ、緊張感、小澤の猪突猛進エナジーは格別。20世紀音楽史に残る名演となった。このレコ、2枚組で盤もジャケも厚く、24ページに及ぶ解説というか初演レポやらが封入された豪華仕様。ずっしり重い。
クラシックの現代曲は、ときに退屈で時代遅れの感がある作品もあるが。メシアンや武満のはそうではなく、当時の時流との接点が希薄で普遍性が高いぶん、いまの耳にもノスタルジーを感じさせない。今後もそうあり続けることだろう。