雹か、霰の洗礼を受けた6月3日。
にわかに雨かと思えば、騒がしさの元は固形物でした。初めの一粒はまるで真珠玉のような美しさでしたが、そのあとは、怒濤のごとく、雹の混じる雨が地面に叩きつけるかのように降りました。
時折雷鳴もあり、つくずく避難できる場所にいて幸いだと思いました。
斜度のついたところには濁流が白い浮遊物で可視化され、低いところに溜まり、やがて水はけよい土地柄、水溜まりは消えて地面には雹だけがたまりました。
やがてうっすらと霧が立ち込め、緑と白の不思議な光景のなか、日が暮れました。
翌日、外に出てみると、勢いよく伸びていた草ぐさは、昨日の氷の粒に叩かれて、破れかぶれになり、うなだれてしまい、嵐の去ったあとの、なんとも無惨な光景が広がるなか、珍しく雉のつがいが、一歩いっぽ足元を確かめながら、散歩していました。「あらまあ、見てごらん」なんて呟きながら…..。
地面に散乱している剥がされた地位類や、花殻、若葉などのあれこれは、或いは彼らにとってはご馳走だったのかもしれませんが、土の上にたまっていれば、やがて土となっていくのでしょう。
気温が上がり、春ゼミやカッコウが鳴き、高原は何事もなかったように、夏に向かって歩きだしました。