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レ小僧の独白7

ピンク・フロイド『原子心母』1970
邦題を付けた東芝ディレクターの功績は測り知れない。これでロックにはまった若者は多いだろう。
70年発売、初登場で全英1位全米55位など各国で軒並みヒットし、前衛アングラのイメージが強かった彼らが一気にメジャーになった。
ピンフロというより前衛作曲家ロイ・ギーシンの色合いが強く、当時もいまも違和感というか変てこ感がある。特に合唱隊やブラスバンド入りの表題曲に。B面は多彩で起伏があって楽しめるけど。
ジャケ・アート史上最大の巨匠は間違いなくヒプノシスだろう。作品の数、ぶれない個性、アートに達した水準、どれも他を圧倒している。そして何故かアンチが少ないのが凄い。なかでも本作のインパクト、表題なしの潔さは出色。これがなかったらピンフロの未来も、日本の洋楽受容史も変わっていたと確信。
ジャケを眺めながら聴いていると、混沌とした70年代初めの空気感が、牛の鳴き声と共に蘇るかのようだ。メェ~。
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