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レ小僧の独白2

クラフトワーク『アウトバーン』

クラフトワーク(発電所)は独のテクノユニット。本作は彼らの4作めのアルバムで、1974年の発売。ドイツの高速道路をひたすらかっ飛ばすさまを電子機器で淡々と描写している。原曲は22分を超える長さだが、シングル用に3分に編集され、米で25位、欧州各国でもチャート上位に達した。電子音楽を一般に浸透させた画期的な作品として評価されている。YMOにも大きな影響を与え、東日本大震災後に福島をテーマに曲を発表するなど、先鋭な活動はいまも変わらない。

ジャケのコミカルでポップな印象そのまま、単純なビートが粛々と展開され、ハイウェイを行き交う車を模した音が挿入される。発表当時、あまりの異質さから賛否両論が渦巻いたが、こんにちこれを非難する者はいないだろう。

スピーカーに対峙して集中して聴くのではなく、あたかも環境音のように、ひたすら漂う音響。これも半世紀前の録音だが、時代の遥か先を疾走していた。

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