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レ小僧の独白1

マイク・オールドフィールド『チューブラー・ベルズ』

波頭に浮かぶ奇妙なオブジェ。一度見たら忘れられない。

当時20歳の若者が初めて自己名義で発表した作品。マイクは在籍した英プログレロックの中堅ケヴィン・エアーズのバンド解散後、譲り受けたテレコを駆使してほとんど一人で制作。新興のヴァージン・レコードに持ち込んで発売に漕ぎつけた。

いまや巨大産業に発展したヴァージンの記念すべき最初の製品で、規格番号はV-2001。

当初は新興ゆえ扱う店も少なかったが、中身とジャケのインパクトからか徐々に支持を集め、1年4か月後に英チャート首位、米でも3位まで達しグラミーを受賞した。その後映画『エクソシスト』で使われ一般的にも認知されるように。

簡潔なテーマ旋律を繰り返しながら徐々に発展させる手法はラヴェル「ボレロ」に通じるが、プログレや英ロックのエッセンスを散りばめ、郷愁を誘われる響きがいつまでも耳に残る。発表から半世紀経つが、聴き返すたびに新たな情景が沸き上がる永遠の名作。

マイク自身も本作を超えることは難しかったようで、オーケストラ版た観客巻き込み版など、何度も作り直しを重ねている。

 

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